解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第14問

CO2ナルコーシスの治療で正しいのはどれか。2つ選べ。

a: ペーパーバッグを口に当てる。

b: 高濃度酸素から投与を開始する。

c: NPPVを用いる。

d: 人工呼吸管理を行う。

e: アシドーシスはできるだけ早く補正する。

CO2ナルコーシスとは、呼吸の自動調節機構に異常が生じ、肺胞の換気が不十分となった場合に二酸化炭素が体内に蓄積され、意識障害などの中枢神経症状が現れる病態をCO2ナルコーシスという。CO2ナルコーシスが起こると、初期には呼吸促迫や頻脈、発汗、頭痛などの症状が見られ、進行すると意識レベルの低下が起こり、傾眠から昏睡に至る。
・意識障害
・高度の呼吸性アシドーシス
・自発呼吸の減弱はCO2ナルコーシス
の3主症状としてよく知られている。CO2ナルコーシスに陥ってしまい、呼吸抑制や意識障害が現れた場合、非侵襲的陽圧換気(NPPV)や挿管下での人工呼吸管理が必要になる。

a:血液内の二酸化炭素濃度を上げる目的で、紙袋を口と鼻にあて、吐いた息を再度吸い込む行為を「ペーパーバッグ法」と言うが、実際には、繰り返し行っても二酸化炭素の濃度はさほど上がらず、ぴったりと袋をあてることで、逆に酸素濃度が低下し、酸素不足になり、窒息する可能性がある。

b:CO2ナルコーシス患者に対して高濃度酸素を吸入させるとPaO2増大により呼吸が抑制され、病態が悪化する。低濃度から酸素投与を開始する。

c:正解。非侵襲的陽圧換気(NPPV)や挿管下での人工呼吸管理を行い、換気量を増大させて、体内に蓄積された二酸化炭素を呼出させることが必要である。

d:正解。非侵襲的陽圧換気(NPPV)や挿管下での人工呼吸管理を行い、換気量を増大させて、体内に蓄積された二酸化炭素を呼出させることが必要である。

e:アシドーシスによる呼吸刺激が消失して呼吸抑制が生じ、CO2ナルコーシスをさらに憎悪させる。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
kohをフォローする
スポンサーリンク
臨床工学技士 国家試験 過去問
error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました